私が行っているHalu農法についてです。(写真は最近咲いたナスの花です。)
以前の記事でも書いたとおりHalu農法は、歩屋の横内さんが開発した特許を取得している無肥料・無農薬での野菜の栽培方法です。Haluはアイヌ語の「自然からの恵みの食べ物」という言葉に由来しています。
基本的な考え方は、微生物と野菜を共生させて育てていこうというものです。微生物が繁殖しやすいように畑を少し特徴的な形に造成するのですが、その造成の仕方について特許をとっています。
野菜が育つのには養分が必要です。野菜を収穫して人間が畑の外に持ち出すのだから、その分の養分を畑に入れなければならない、ということで畑に肥料を入れます。
しかし、コンクリートの隙間から元気に生えている雑草はどこからその養分を手に入れているのでしょうか。
その答えを横内さんは、「植物と共生する微生物がいる。野菜は根からブドウ糖などの糖類を微生物に与え、その代わりに共生微生物は野菜に必要な栄養素を与えている。」と考えました。
「植物が根からブドウ糖を出している」ということは、しっかりとした研究事実なのですが、意外と知られていません。私もHalu農法を勉強している際に初めて知りました。
一方、「微生物が植物に必要な栄養素を与える」ということについては、きちんとした研究結果があるわけではありません。
植物が育つのには一般的に、窒素(N)・リン(P)・カリウム(K)の三種類の栄養素が必要だと言われています。
このうち、窒素については、微生物が大気中の窒素を植物が使える形にしてくれることが分かっています(「窒素固定」といいます)。この窒素固定をしてくれる微生物は、豆科の植物と共生していることが知られており、豆科植物がやせた土地でも良く育つと言われ、また土壌改良の際に栽培されるのもこれが理由です。
残りのリンとカリウムについての微生物の働きですが、窒素ほどはっきりとした研究結果はないようです。しかし、微生物の中には土中のミネラルを可溶化することができる種類が確認されているようです。
以上が「共生微生物を活用し無肥料および無農薬で野菜を栽培する」Halu農法の概要です。私の考えでは、Halu農法は仮説の部分もあり技術としても発展段階のものだと思います。しかし、微生物の働きは未知な部分がたくさんあり、「植物と共生する微生物がおり無肥料でも植物は育つ」というのは十分に可能性のある話であるとも感じています。
私の畑でもHalu農法を実践し、畑の野菜がどのように育って行くか土がどう変わっていくか観察していきたいと思います。
さて、今の季節は?
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二十四節気・・・二十四節気・・・夏至(げし):一年でもっとも日が長く夜が短いころのこと。(前回と同じ)
七十二候・・・菖蒲華さく。(あやめはなさく):あやめが花を咲かせるころ。(次候)(新暦では、およそ6月26日~6月30日ごろ)
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「あやめ」も「しょうぶ」も漢字で書くと同じ「菖蒲」ですね。家の近くには「しょうぶ園」はあるのですが、あやめは見かけない気がします。